パズドラ

以前の職場で、かなりパズドラをしてる人がいました。自分はハマりこむのが怖くてやってなかったんですが、パズドラさんはかなりやりこんでるみたいでした。

 

そしてある日、パズドラさんは普通の人が2日で終わらせるような作業が、14日以上たっても終わらなくて、しかも品質が悪いと問題になってました。本人のやる気や能力も酷いし、作業が遅れても報告しない主義だし、仕事中に離席するのも多いし、その時間も長いし、インフルエンザの兆候があるのに現場に来て発症したり、とかなり素行が悪いのです。これで俺と同じ年っていったい……

 

そんな状況で、進捗が遅れてる理由は何なのか、と内部で話しあってる時に、新人君がピュアな意見を言いました。

 

「たぶん、パズドラのリアルタイムイベントをやってるんじゃないですかね?」

 

その一言がきっかけで、新人君にはとある任務が与えられました。パズドラさんとフレンドになってもらい、奴のログイン時間や状況などを確認して、業務中にログインしてるか監視する、というだれでもできる簡単なお仕事です。

 

業務の進捗報告よりも、まずは奴がパズドラやってたかどうかの報告の方が重要視されてるという異常事態の末、いつのまにかパズドラさんは現場に訪れなくなりました。風のうわさによると、現場から首きられたついでに自社からも首きられたらしいです。

 

そういうことがあったので、自分はパズドラは怖くて一生手を出さない気がします。

善悪の彼岸

詐称ボーイはとにかく我が道を進みます。俺や係長とは別チームになってしまったので、表向きは支援しづらい状況です。というか別チームリーダーから「チームを超えての支援はご遠慮ください」と指導を受けてしまったので、別チームリーダーから見える場面では、詐称ボーイの手助けが(立場上)困難なのです。

 

仕方ないので、詐称ボーイと同じチームになってしまった(意味ありげな過去形)同僚に、詐称ボーイのお世話をお願いすることになってしまったのです。いつもは俺に文句とか軽口言ってくるような人なのに、詐称ボーイに対しては全く怒らずに、淡々と指導してるのです。あの同僚が怒らずに黙って相手してるなんて……と全米が震撼。俺が近くで話聞いてるだけでイライラするような状況なのに、根気強く指導してるのは、並みの忍耐力ではありません。

 

別チームリーダーから注意さえ受けてなければ、三人で交代制で相手してたんですが(そうしないと体がもたない)、同僚一人で相手してもらう状況となってしまい、案の定同僚が疲れ果ててしまいました。しかたがないので、近所の喫茶店に連れ出して、愚痴を聞いてあげたりしてたんですが、これじゃ本質的な改善にはなりえません。少しずつ皆が摩耗していくだけです。

 

そう思い、社畜と係長と同僚、そして詐称ボーイの四人で集まって、話し合いの場を設けました。なぜ出来ないのか、どうすれば出来るようになるのか、といったことを建設的に話し合うのが目的です。でしたが、やはり無理でした。

 

話し合いとは、言葉のキャッチボールです。相手の言葉を受け取り、それに対して言葉を返し、お互いの意図を伝え合うのが通常です。しかしながら明後日の方向にボールを暴投したり、ボールを受け取らず拾いにも行かず、自分でトゲ付き鉄球を用意して投げつけてくるようでは、拉致があきません。

 

その態度を見ていて疑問に思ったので、少しは謝罪の言葉でも出れば、同僚のストレスが少しでも緩和できないだろうか、と思って社畜は質問しました。

 

「同僚がこれだけ時間を割いて、丁寧に粘り強く指導してるのに、あなたは同僚に悪いことをしてるって思ってないんですか?」

 

「いいえ」

 

え? 

 

俺、回答の意味を捉え間違えてる、の、か、な?

 

係長に目配せすると、あちらも「え?」って顔をしてます。さすがにそれは無いだろうと思い、質問しなおしました。

 

「私の質問の仕方が悪かったかもしれないので、もう一回同じことを聞きますが……詐称ボーイは、同僚に悪いという気持ちを持っていますか?」

 

「持っていません(即答)」

 

絶句。

 

「設計書なんて、適当にちゃっちゃと済ませてしまって、製造やる時にバグ出しまくればいいんですよ。それなのに同僚さんはしつこく意見してきて、正直、迷惑ですよ」

 

ちなみにお前の設計書から製造するのは俺なんだけど?

 

「同僚さんは、アンタのために時間割いて、自分のスケジュールが遅れてしまうし、アンタが出来ない設計書を代わりに引き受けてるから、毎日深夜まで残業しているんだけど、そういうことに対する罪悪感はないの?」

 

「ありません(即答)」

 

「……わかりました。自分の担当じゃなくなったら、自分の責任じゃないということですね。じゃあ、我々もあなたの面倒をみる責任はないですよね」

 

「え、それは……」

 

「だったら、絶対にこれから同僚より早く帰ったりするんじゃねえ! 他人に仕事押し付けておいて楽になったと思ってんじゃねえぞ これから同僚より早く帰る日が一度でもあったら、俺らは二度とお前のフォローしないからな! わかったか?!」

 

「……」

 

「返事は?!」

 

「わ、わかりました……」

 

そして翌日、詐称ボーイが同僚より早く帰ったのを見届けたので、ヤツのことは見捨てて他の三名まで信用を落とさないようにしましょう、という方針になったのでした。

オススメ漫画

わたくしこと社畜は、色々な修羅場で働いてきたものですが、とある方から「社畜さんはたまにこういう笑顔をしてるよね」と言われました。

 

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こんなに悪い顔してますかねぇ。

 

でもですよ、お客様に本当のことも言えず、だからと言って嘘を言うわけにもいかず、報告はしないといけないという状況になったら、どう切り抜けるか考えたりしないといけないじゃないですか。そこで妙案を思いついて、現場のリーダーにニンマリしながら相談しちゃうものじゃないですか。それが人の性(さが)ってものじゃないですか。笑うしかないような修羅場ってそんなもんじゃないですか。

 

と自己弁護を考えてたら、わたくしと数年あってなくて名前を忘れられてしまった人に、「こんな風な悪い顔してた人いたでしょ?」と画像見せたら思い出されてしまった、という生暖かいエピソードを教えられると、認めざるを得ないのかもしれません。まぁ現場で「パピコ無いと設計書書けません!」とか言ってた人が、どんな言い訳しても仕方がないですしね。

 

とまぁ話が逸れましたが、悪い顔の画像が一体何か気になる方は、ぜひこちらの漫画を手にしてみてください。

嘘喰い 9 (ヤングジャンプコミックス)

嘘喰い 9 (ヤングジャンプコミックス)

 

 かなり意外な展開が炸裂するギャンブル漫画で、現在もヤングジャンプ誌にて絶賛連載中です。社畜が毎週生きる楽しみにしてるくらいオススメなので、興味を持たれた方はぜひとも最初の4巻くらいまで読まれてみてはどうでしょうか。

 

あとついでに、この前のブログ開設の記事で使われていた画像元の作品をご紹介しておきます。

サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 上巻 (BIG SPIRITS COMICS)
 
サルまん サルでも描けるまんが教室 21世紀愛蔵版 下巻 (BIG SPIRITS COMICS)
 

サルまんは今から20年以上前に連載されてたのが不思議なくらい、今読んでも色褪せない名作というか迷作ですね。漫画家を目指す二人のギャグ漫画、 という説明では濃さを全く伝えきれず、自分の文才の無さを嘆いてしまうことしきりですが、マンガ好きな人にはぜったい読んでもらいたい逸品ですね。

 

上下巻で完結してるので、手を出しやすいんじゃないでしょうか。一冊1600円もしますけど、それだけの価値はあると思います。

 

シグルイ 全15巻 完結セット  (チャンピオンREDコミックス)

シグルイ 全15巻 完結セット (チャンピオンREDコミックス)

 

シグルイは残酷無残な時代劇モノです。原作は数十ページの小説だというのに、よくもまぁここまで様々な強烈なキャラクターを用意して、ドラマティックに仕立てあげたものだなぁ、と感心します。

 

なかでもマンガ界、いやエンターテイメント世界でも随一のマッドキャラ、虎眼先生の存在が素晴らしいです。虎眼先生だけでこのマンガの魅力の8割位を支えてるんじゃないかと言ってしまうくらいの途方も無さなので、ぜひ一度怖いもの見たさで鑑賞していただきたい所存です。

カマボコみたいな

今までダメ人材の相手ばかりしてきたので、詐称ボーイは最初の三日間で「こりゃダメだろうな」というのが想像ついてたんですよ。やる気の感じられない疲れた目つきとか、受け答えがまともに出来なかったり、妙に頑固で人の言うことを聞かなかったり、ついでにSQL必至の現場でSQLわからないとか、とまぁ数え役満です。リーチ一発ポンドラドラハネマン単騎!!

 

とまぁ、ポリアンナでも良かった探しが出来ないレベルだったんで、最初の段階で他メンバーには忠告したんですよ、絶対後で酷いことになるって。でも他メンバーはダメ人材の相手した経験が無いからか、「なんで社畜は冷徹なこと言ってるんだろう、大げさな……」とドン引きしてたようです。

 

しかし数カ月後、実際その通りになった時に「社畜さんに謝らないといけない、やっぱり言ったとおりになった」と謝られてしまいました。そこで自分が得意げになったかというとそうでもありませんでした。

 

「実害受けないと実感わかないから仕方ないよなぁ」

「自分の伝え方が悪かったのかなぁ」

「もっと必死に詐称ボーイを全力で早期退場させるべきだった」

と反省してしまいました。このくらいは把握したうえで、みんな優しいから詐称ボーイを庇ってるんだろう、と妙なところで性善説的な楽観をしていたのも事実ですので。

 

というわけで、ミニエピソードというか、ダメっぷりを羅列してみます。

 

・進捗遅れを報告せずに帰る

・進捗について聞いたら黙る

・「前倒しなの、オンスケなの、遅れてるの、どれ?」と三択にしても黙る

・「社畜さんはどう思います?」とこっちに逆に質問してくる。

・「じゃあ、何本中、何本終わった?」と聞いたら、聞き取るのに30分以上かかる。

・というか、6本中1本も終わってない(作業日数の半分を過ぎても)

・進捗をオンスケに戻せるか聞くと「できます!」というが、具体的にどんな案があるか質問すると黙る。

・なぜ遅れてるのか聞いても黙る。

 ・他メンバーを呼んで、詐称ボーイをどうするか別室で話し合ってる隙に、一人だけこっそりと早めに帰ってる。

・翌日進捗を確認したら、昨夜は3日遅れといってたのが8日遅れとか言う。

・何で5日も遅れが広がるのかときいたら、単純なINNER JOINのSQL文を書くのに、それだけの工数が要るという(俺がやったら多分10分もかからないレベル)。

・どんな仕様書だと思って中を見て、奴に疑問点を指摘したら、演説みたいな抽象的な説明が始まり、こちらが更に疑問点を言うと、数秒前の自説に矛盾したことを自信満々に言う(自己矛盾に気づいてない)。

 

こんだけ羅列しただけでも相当酷いとは思いますが、自分が失敗したとするなら、奴が生み出した初期のバッチ処理工程図を他メンバーに見せてなかった点ですね。後日には流石に修正されてたのでもう見れないんですが、あれはすごいインパクトがありました。言葉で百語るよりも、あれを見せておけば、一発でヤバさが伝わったんではなかろうか。

 

奴が作ってたバッチ処理工程図、なんか記号が変だったんですよ。フォーマットに指定されてる四角の枠組みといった記号を使ってなくて、なんというかカマボコみたいなバッチ処理工程図だったんですよ。

 

俺の知ってるバッチ処理工程図とは明らかに違う……的な。

 

え、これ、まさかバッチ処理工程図だったの……?的な。

 

何言ってるかわからないでしょうけれど、なんというか、上がなだらかな円になってて、下が四角い、カマボコみたいな記号が、包丁でトントンと切られたかのようにズラーッと並んでるんです。ズラーっと。ありとあらゆる所に。

 

もんのすごく性善説的かつ楽観的かつに行間を読む感覚で考えたところ、テーブルか何かを大量に読み込むのかと思ったら、そういうわけでもないらしく、「じゃあ、なんなのこれ?」って聞いたら「多重処理ですよ、知らないんですか?」とドヤ顔されました。

 

ああ、スレッド的なものを複数並行動作させて、どの処理も同じ時間で終わるように調整する処理のことを、カマボコで表そうとしたんだろうな。

 

入力は一つのテーブルなんだけどなぁ。

 

つーかカマボコはテーブルじゃねぇよ。

 

つーか、そんな記号、業務フォーマットに無ぇよ。

 

設計者とか書いてあるヘッダー枠まで、カマボコはみ出させてるんじゃねぇよ。

 

なんか、これはアレか、設計書じゃなくて、カマボコのカルタなのかぁ?

 

という言葉を飲み込みながら、わたくしは言いました。

 

「私が知ってる多重処理とはちょっと違うようですね」

 

そう返事して、疲れ果てたのでその日はもう帰宅してしまい、翌日から体調も悪くなってしまったので、他メンバーにそのことを言うのを忘れてました。

 

ヤツをすぐに笑いものにしてれば、もっと早く事態のヤバさが正確に伝わっていただろうに、これは俺の失策だったな、と割と本気で思ってます。

キセルの概念

多重処理という難しめの処理があって、関係者を集めて説明会をすることになりました。社畜はたまたまその処理には関わってなかったので、説明会に参加せずに作業をしてました。

 

そして暫くして詐称ボーイらが戻ってきたんですが、キョロキョロ辺りを見渡してから、社畜のところに詐称ボーイがやってきました。

 

社畜さん、多重処理について質問していいですか?」

 

「いや、知らないんで。係長に質問した方が確実ですよ(というか、今説明を受けてきたんじゃないの?)」

 

「いや、係長さんは暫く戻ってこないので、社畜さんでいいので教えて下さい」

 

「(でいいので?)そう言われても、そんな詳しくないで。というか、係長が戻ってこないとなぜ分かるんですか?」

 

「係長さんは、今キセルでタバコを吸ってるはずだから、戻ってこないですよ」

 

「(キ、セ、ル?!)……キセル?」

 

社畜さん、キセルも知らないんですかぁ?」

 

「いや、キセルという概念は知ってますけど、なんで係長がキセルを使ってるって思うんですか?」

 

そのあと、詐称ボーイは独自性のある自己矛盾をはらんだ意味不明な説明を繰り広げたのですが、支離滅裂すぎて今となっては記憶に残ってません。多分詐称ボーイ自身も何言ってるのか分かってなかったんではないでしょうか。

 

とりあえず係長がキセルでタバコ吸ってると思い込んでるらしい、ということだけは伝わりました。キセルだとなんで戻ってこないのかという理論は未だに分かりませんが。

 

そして係長が戻ってきたら「あ、もういいですから」と社畜に捨てセリフをはいて、係長の方に向かっていって、何を喋ったのかは遠くで分かりませんでしたが、人のよい係長が苦笑いしてるのを見て、参加してた同僚に状況を聞いてみました。

 

予想はしてましたけど、説明会で質問がないかと言われた時、同僚が詐称ボーイを心配して「今質問しなくていいの?」と言ったのに「いえ、あとで聞くんで、今はいいです」と答えたらしいです。そして説明会に居なかった俺に質問しにきて、俺を挑発してキセル講義をして去っていった、と。

 

結局、詐称ボーイは最後の最後まで多重処理を理解してなくて、設計書を引き継ぐ俺に初見で10個くらい製造不可能な点を指摘されても「そういうのは多重処理が得意な人が直してください」といって、自分では何もせずにいたのでした。いや、俺、多重処理得意じゃないんだけど……

我が家のような振る舞い

これを見て、「職場はお前の家じゃない」という言葉を思いつきました(一日中バリボリと音をたててせんべい食べてる詐称ボーイを見ながら)

詐称レベル

社畜の経験上、資格の有無はあまり仕事には関係ない気がします。とても有能な上司は実は資格を一つも持ってないのに、詐称ボーイは実は応用情報処理を取得してるらしい、という現実が何よりも雄弁に物語っているのではないでしょうか。世界の真理がまた一つ。

 

その件について隣の席の人に話したところ、こう言われました。

 

「応用情報もってる、ってのも詐称なんじゃないですか?」

 

世界の真理がまた一つ。